今回は、経理実務の現場から、IFRS(国際財務報告基準)における収益認識基準について紹介している会話です。日本でも、同様の基準が導入されたことから、ご存知の方も比較的多いのではないでしょうか。
もっとも、本ページの内容は、あくまで英語の勉強のためなので、本当の概略にしかふれていません。専門的な取り扱いは別途専門家等にご確認ください。
会話
A: Good morning, everyone. Thank you for joining this conference call. Today, I’d like to discuss the new revenue recognition standard introduced by IFRS 15.
おはようございます、皆さん。このオンライン会議に参加していただきありがとうございます。今日は、IFRS 15によって導入された新しい収益認識基準について話しましょう。
この最初のフレーズは、電話会議で便利ですね。
IFRSは、International Financial Reporting Standards の略です。「国際財務報告基準」というのが正式な訳です。「国際会計基準」と呼ばれることもありますが、その呼称はIFRSになる以前の基準である International Accounting Standards の訳として使われていたことから、公式な場所では避けるべきです。
B: Good morning. Yes, the implementation of IFRS 15 has brought significant changes to how companies recognize revenue.
おはようございます。はい、IFRS 15の導入により、企業の収益認識方法に大きな変更がもたらされました。
A: Absolutely. The standard provides a comprehensive framework for revenue recognition across various industries.
まさにそうです。この基準は、さまざまな産業にわたる収益認識の包括的なフレームワークを提供しています。
B: That’s right. It introduces a five-step model that companies must follow to determine when and how to recognize revenue.
その通りです。この基準では、企業が収益をいつ、どのように認識するかを決定するために、5つのステップからなるモデルが導入されています。
英語とは関係ありませんが、この認識基準の変化は、画期的なもので、会計業界はもちろんビジネスのあり方にも大きな影響を与えるものでした。
A: The first step is to identify the contract with the customer and assess the rights and obligations involved.
最初のステップは、顧客との契約を特定し、関連する権利と義務を評価することです。
会計処理を決めるにあたっては、まず事実を正確に把握することが大切ですね。
B: Then, companies need to identify the performance obligations within the contract, which are the distinct goods or services to be provided to the customer.
次に、企業は契約内の履行義務を特定する必要があります。これは、顧客に提供される商品やサービスとして区分されるものです。
A: Right. The third step involves determining the transaction price, which is the amount of consideration expected to be received in exchange for the goods or services.
その通りです。3つ目のステップでは、商品やサービスと引き換えに受け取る見込みの対価である取引価格を決定します。
B: Then, companies allocate the transaction price to each performance obligation based on their relative stand-alone selling prices.
次に、企業はそれぞれの履行義務に対して、(全体の)取引価格を相対的な単独販売価格に基づいて配分します。
売り手がすべきこと(履行義務)は、いくつかに分けられる。そして、それぞれがそれに見合った価値があるはず。実務の世界では、全体としていくらと値段がつけられてしまうが、それでは個々の義務の価値がわからない。そこで、按分計算しようということです。
「allocate」は「割り当てる」という意味ですね。「allocate the shared costs to each cost center」(共通費をそれぞれのコストセンターに配分する)というような表現もよく使われます。
A: Finally, companies recognize revenue when the performance obligations are satisfied, meaning when the goods or services are transferred to the customer and the customer obtains control.
最後に、商品やサービスが顧客に移転され、顧客がコントロール(支配)を取得する時点で履行義務が満たされると、企業は収益を認識します。
それぞれの履行義務ごとに、それが完了する時点で収益を認識する。理論的にはわかるけど、そこまでしなければいけないのか…。
ルールを乱す人がいると厳格なルールが必要になるといういい例のような気がします。
B: Overall, the implementation of IFRS 15 ensures a more consistent and transparent approach to revenue recognition, providing users of financial statements with better comparability across different companies.
全体的に言えば、IFRS 15の導入により、収益認識におけるより一貫性のある透明性の高いアプローチが確保され、財務諸表の利用者は異なる企業間でより比較性のある情報を得ることができます。
会計にとって、比較可能性というのは、長い間追求されている重要な概念です。
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- Revenue recognition – 収益認識
- IFRS 15 – 国際財務報告基準第15号(収益認識)
- Contract with the customer – 顧客との契約
- Performance obligations – 履行義務
- Transaction price – 取引価格
- Consideration – 対価
- Stand-alone selling price – 商品等を単独で販売した場合の価格
- Allocation – 配分
- Transparent approach – 透明なアプローチ
- Financial statements – 財務諸表
- Comparability – 比較可能性
- Consistent – 一貫した
- Assess – 評価する
- Obligations – 義務
- Relative – 相対的な
- Contract modification – 契約の修正
- Performance obligation satisfied at a point in time – 一時点で履行義務が満たさる
- Performance obligation satisfied over time – 時間の経過とともに履行義務が満たされる
- Variable consideration – 可変対価
- Constraint – 制約
- Practical expedients – 実用的な簡便措置
- Significant financing component – 重要な財務要素
- Right of return – 返品権
- Repurchase agreement – 再購入契約
- Sales-based royalty – 売上ベースのロイヤリティ
- Noncash consideration – 非現金対価
- Termination right – 解除権
- Incremental costs – 増加費用
- Material right – 重要な権利
- Time value of money – 金銭の時間的価値
- Licensing – ライセンス供与